他言語での大学受験まとめ

大学受験を英語以外の言語(フランス語、ドイツ語、中国語)で受ける「他言語受験」についての情報をまとめています。記事執筆者は全員、この形式の受験の経験者です。

🇫🇷東京大学二次試験について

執筆者:H(ブログ管理人)

 

※注意※

以下の記事は2020年度に受験した中の人が書いたものであり、主観的な内容も一部含まれます。また、最新の情報は必ずご自身で、大学のホームページにて確認してください。

 

 

○内容

東大の二次試験でフランス語を使う方法は、「全仏受験」と「差し替え受験」の2パターンがあります。

差し替え受験は英語の一部とフランス語の一部を受験する方法で、点数が伸びやすいと言われているようです。

全仏受験は第1問~第5問からなり、差し替え受験の人は第4問、第5問を解答します。

 

 

第1問

要約問題。B5 1枚程度の長文を読み、日本語200字で要約。

 

第2問

和文仏訳問題。10行弱で、オリジナルではなく日本語の小説やエッセイから出題されるため難易度は年によってばらつきがある。

 

第3問

仏作文問題。単語が1語指定されており、それが含まれる熟語などを使って和文仏訳を行う。

 

第4問

仏文和訳問題。10行弱。

 

第5問

仏語書き換え問題。「~を用いて」などの指示に従って文章を書き換える。

 

解答時間、配点は英語と同じです。ただしリスニングはありません。

 

 

○勉強方法・難易度

私はフランス語を高校で3年間第一外国語として勉強し、その上で高2の秋からフランス語受験の塾に通いました。(関東の方は是非調べてみてください、良い塾です)使った教材も、全て学校と塾で揃えていただきました。

フランス語受験に特化した単語帳や文法書は市販されていません。そのため、「英語が苦手だから」「東大受験で高得点を取ること」だけを狙ってフランス語受験に挑戦するのは非効率的な気がします(個人の感想です)

フランス語に興味がある今高1、もしくは高2だがフランス語に十分時間を割けるという人、フランスからの帰国子女には良いと思います。(あとは仮面浪人していて、そこで学んだ第二外国語を差し替え受験で使ったという他言語受験の人がいましたが…フランス語の場合は差し替え用の問題も難しいので、それでどこまで点数が伸びるのかは不明)

 

私が過去問を解いたり、受験したりした経験から主観で言うと、東京大学のフランス語は慶應大学の法学部・文学部より簡単です。上智大学と比べると微妙で、単語のレベルや読む速度は上智の方が要求されます。対して東大は「簡単なことを完璧に」という感じの問題です。どちらが難しいと感じるかはその人の能力によると思います。

また他の科目と同様、全問記述です。文法事項や単語を丁寧に暗記し、それを発揮することができれば安定して高得点を取ることができます。

ちなみに、英語と異なり大体の人は時間にゆとりがあります…私は3回見直しができました。

仏検とは形式が異なるため比べることはできませんが、私の在学していた某高校では2級まで持っている人が多かったです。他校では準1級に受かっていれば東大に受かるというジンクスがあるらしい。ご参考までに。

 

文法は接続法、条件法などを含め一通り出題されます。単純過去は少なくとも直近10年は出題されていないと思います。

単語は専用の単語帳がないので、仏検用のものなどを使うことになります。私は使ったことがありませんが、2級~準1級レベルかと思います。

過去問は著作権の関係上、東京大学のホームページには公開されていません。直近3年分は直接キャンパスに赴けば開示してくれるようです。(詳しくは公式ホームページへ)

また東大新聞に過去問が掲載されているらしく、そのバックナンバーを探したという知り合いもいました。