他言語での大学受験まとめ

大学受験を英語以外の言語(フランス語、ドイツ語、中国語)で受ける「他言語受験」についての情報をまとめています。記事執筆者は全員、この形式の受験の経験者です。

記事の訂正のお詫び

執筆者:H(ブログ管理人)

 

 以下の2記事において、訂正がございましたのでお詫び申し上げます。

 

frenchjuken.hatenablog.com

 

 

frenchjuken.hatenablog.com

 

早稲田大学の入試については、教育学部のみ大学独自の試験が存在し、その他の学部はセンター試験の成績利用という形になります。

ただし、教育学部におけるフランス語、ドイツ語の利用には制限があります。詳しくは以下の早稲田大学入試センターホームページをご覧ください。

https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/general/

 

 

🇩🇪Weiter voran!

執筆者:千葉

 

🎶アクセント問題(センター対策)🎶

 

ドイツ語の単語は一般的に頭にアクセントがある。

故に、例外を除く普通の単語はアクセントが頭にあるとして、頭にアクセントのない例外単語を覚えよう!

 

✳️アクセント基礎理論

①動詞からの転用が保存される系

zú|gehen(V)→Zúgang(N)→zugänglich(A)

zú|kommen(V)→Zúkunft(N)→zúkünftig(A)

zú|fallen(V)→Zúfall(N)→zúfällig(A)

zú|stehen(V)→Zústand(N)→zúständig(A)

 

②転用元の動詞が存在しない系

zuérst

zuméist

zulétzt

 

③短縮系

zu Grúnde→zugrúnde

zu Gúnsten→zugúnsten

im Stánde→imstánde

 

✳️非分離前綴りとなる接頭辞(アクセント無し)

→be-/emp-/ent-/er-/ge-/ver-/zer-

 

✳️接尾辞-ár/-ál/-éiにアクセント

→populä´r/legendä´r/regulä´r/familiä´r/elementár

→instrumentál/fundamentál/normál/totál/formál/personál/geniál

→die Partéi/die Polizéi/die Arznéi

 

✳️フランス語由来の外来語

→das Büró/das Pürée

 

✳️基本単語の例外アクセントまとめ(センター対策用)

die Adrésse

alléin

die Apothéke(-thé系)

die Appetít

der Apríl

der Augúst(外来語)

der Automát(外来語)

die Bäckeréi(-éi系)

die Banáne(外来語)

bekánnt

bequém

beréit

der Berúf

besónder

der Besúch(besúchenの転用)

die Beziéhung(beziéhenの転用

die Bibliothék(-thé系)

die Café(外来語)

der Compúter(外来語)

dazú

der Dezémber(外来語)

dirékt(外来語)

einánder

der Erfólg(erfólgenの転用)

der Erwáchsene(erwáchsenの転用)

die Famílie(外来語)

der Fébruar(外来語)

der Géburtstag

der Gedánke

das Gefü´hl

die Gefáhr

das Gemü´se

das Gerä´t

das Gymnásium

lebéndig

legál

die Idée(外来語)

die Informatión(-ión系)

das Itálian(外来語)

der Január(外来語)

kapútt

die Kartóffel

das Klaviér

der Kollége

das Konzért(外来語)

die Maschíne(外来語)

die Medizín

modérn(外来語)

der Momént(外来語)

nachdém

die Natúr(外来語)

normál(-ál系)

der Novémber(外来語)

obwóhl

die Oránge(外来語)

das Pakét(外来語)

das Papiér(外来語)

passiéren(-iéren系)

der Patiént(-ént系)

 

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🤖構文まとめ🤖

⭐️es handelt sich um 4:4が問題だ

 

⭐️es geht um 4:4が問題だ

 

⭐️es gilt 4:4が重要だ

 

・es scheint , dass ~:どうやら〜らしい

 

・es geht 3 A:3の健康はAである(←3にとって調子がAで進行している)

 

🌟es kommt auf 4 an , dass ~:〜は4次第だ

 

🌟es hängt von 3 ab , dass ~:〜は3に依存する

 

🌸es lohnt sich , zu V:Vしてみる価値がある(←Vすることは報われる)

 

🌸es gelingt 3 , zu V:3がVするのに成功する

 

🌸brauchen nicht zu V:Vする必要はない

 

🌸brauchen nur zu V:Vさえすればよい

 

🦋scheinen zu V:Vするようにみえる

 

🦋pflegen zu V:Vするのが常である

 

🦋vor|haben zu V:Vするつもりである

 

🤖wissen zu V:Vできる

 

🤖in der Lage sein , zu V:Vできる状況にいる

 

🤖imstande sein , zu V:Vできる

 

(⇄außerstande)

 

🤡im Begriff sein , zu V:ちょうどVしようとしている

 

🤡gerade dabei sein , zu V:ちょうどVしているところ

 

🤡nahe dabei sein , zu V:今にもVするところ

 

❤️um zu V:Vするために

 

❤️ohne zu V:Vすることなしに

 

❤️statt zu V:Vするかわりに

 

⇨《〜と関係がある》

mit 3 etwas zu tun haben

mit 3 im Zusammenhang stehen

4 an|geben

4 betreffen

 

🐶kommen V.p.p:Vしながらやってくる

 

🐶bleiben V.p.p:Vされたままである

 

・Unter uns gesagt , (独立分詞構文):ここだけの話だが

 

⇨《部分否定の表現》

nicht alle ~:全ての人が〜というわけではない

nicht jeder ~:誰もが〜というわけではない

nicht unbedingt ~:絶対に〜というわけではない

nicht gerade ~:特に〜というわけではない

 

🐱3 bleibt nichts anders übrig , als zu V:Vするしかほかない

 

🐱3 bleibt keine andere Wahl , als zu V:Vするしかほかない

 

🐱A ist nichts anders als B:AはB以外の何ものでもない

 

・weit davon entfernt sein , zu V:Vするつもりなど毛頭ない

 

⇨《ちっとも〜ない》

nicht im Geringsten ~:ちっとも〜ない

nicht im Mindesten ~:ちっとも〜ない

 

⇨《全く〜ない》

überhaupt nicht ~

durchaus nicht ~

absolut nicht ~

ganz und gar nicht ~

 

⇨《〜すらない》

nicht 不定冠詞 N

nicht einmal V

 

🐹noch nie ~:まだ一度も〜ない

 

🐹nie mehr ~:もう二度と〜ない

 

🐹nie wieder ~:もう二度と〜ない

 

🐹lnage nicht ~:〜にはほど遠い

 

🐹längst nicht ~:〜には極めて遠い

 

🐰命令文 , oder/sonst ~:〜しなさい、さもないと…

 

🐰命令文 , und/dann ~:〜さなさい、そうすれば…

 

・~ , so dass …:〜の結果…である

 

・Dass du Vst !:Vしてほしいものだ

 

🦊Solange ~:〜である限りは

 

🦊Solange nicht ~:〜でない限りは

 

🐻so gut wie ~:〜も同然だ

 

🐻so ~ wie möglich:できる限り〜

 

🐻möglichst ~:できるだけ〜

 

🐼mehr oder weniger:多かれ少なかれ

 

🐼früher oder später:早かれ遅かれ

 

・Nichts ist Aer als ~:〜ほどAなものはない

 

🐨Sogar 定冠詞 Aest N:もっともAなNすら

 

🐨Selbst 定冠詞 Aest N:もっともAなNすら

 

🐯die Art , wie S V:SがVするやり方

 

🐯die Zeit , wo S V:SがVする時

 

・es sei denn , dass ~:〜でない限り

 

・sei es A , sei es B:AであれBであれ

 

・S hätte V sollen:SはVすべきであったのに

 

・S ist zu A , als dass S V(Ⅱ):SはAすぎてVできない

 

・Beinahe hätte S V.p.p:Sは危うくVしてしまうところだった

 

🦁auch wenn ~:仮に〜であっても

 

🦁selbst wenn ~:仮に〜であっても

 

🦁wenn auch ~:事実〜ではあるけれど

 

🦁C wie er ist , (譲歩):彼はCではあるが

 

⇨《譲歩表現》

zwar A , aber B

freilich A , aber B

gewiss A , aber B

wohl A , aber B

sicher A , nur B

schon A , aber B

allerdings A , aber B

 

・sich Vt lassen:Vされうる(受身+可能)

 

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💐重要熟語まとめ💐

von A bis Z:あらいざらい

 

die Achsel zucken:肩をすくめる

 

vor allem:特に

 

beim ersten Anblick:ひと目で

 

unter anderem:特に

 

4 in Anspruch nehmen:4を必要とする

 

unter vier Auge:ここだけの話

 

auf dem Bauch liegen:うつ伏せになっている

 

auf dem Rücken liegen:仰向けになっている

 

4 in  Bewegung setzen:4を動かす

 

in voller Blüte sein:満開である

 

ein und derselbe sein:同一である

 

auf einmal:突然

 

am Ende:結局

 

4 zu Ende bringen:4を終わらせる

 

4 in die Enge treiben:4を窮地に追い込む

 

auf ewig:永遠に

 

in alle Ewigkeit:永遠に

 

auf jeden Fall:何れにせよ

 

in einem fort:絶えず

 

Gesichter schneiden:しかめっ面をする

 

mit hoher Gewalt:全力を挙げて

 

um ein Haar:間一髪で

 

halb und halb:①半々で ②ほとんど

 

zur Hälfte:半分だけ

 

A für B halten:AをBとみなす

 

ein langes Gesicht machen:がっかりした顔をする

 

von Jahr zu Jahr:年々

 

auf 〜e Gedanken kommen:〜な考えを思いつく

 

ans Licht kommen:明るみに出る

 

zum ersten Mal:はじめて

 

den Mund halten:黙っている

 

nach und nach:徐々に

 

über Nacht:一夜にして

 

von Natur aus:生まれつき

 

aufs neue:新たに

 

in Not sein:困りきっている

 

in der Regel:普通は

 

mit einem Schlag:突然

 

von selbst:ひとりで

 

an sich:それ自体

 

für sich:ひとりで

 

3 Spaß machen:3にとって楽しい

 

4 aufs Spiel setzen:4を危険に晒す

 

sich aus dem Staube machen:逃げる

 

Tag für Tag:毎日毎日

 

von Tag zu Tag:日を追って

 

in der Tat:実際に

 

zum Teil:部分的に

 

zum größten Teil:大部分は

 

über und über:完全に

 

unter allen Umständen:どんなことがあろうとも

 

nach wie vor:相変わらず

 

in Wahrheit:本当は

 

mit der Zeit:時と共に

 

und so weiter(usw.):など

 

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🧬科学系単語🧬

🌲der Baum:m.木

🌲die Erde:f.地球

🌲der Kontinente:m.大陸

🌲das Land:n.陸地

🌲das Meer:n.海

🌲der Ozean:m.大洋

🌲das Gebirge:n.山脈

🌲die Insel:f.島

🌲die Halbinsel:f.半島

🌲die Wiese:f.草原

 

🍂der Boden:m.地面

🍂der Sand:m.砂

🍂der Schlamm:m.泥

🍂die Felsen:f.岩

🍂der Stein:m.石

🍂der Lehm:m.粘土

 

🗻die Erdkruste:f.地殻

🗻die Erdschicht:f.地層

🗻der Erdmantel:m.マントル

🗻der Erdkern:m.地核

🗻der Vulkan:m.火山

🗻das Magma:n.マグマ

🗻die Lava:f.溶岩

 

💡der Atomausstieg:m.脱原発

💡das Kernkraftwerk:n.原子力発電所

💡der Kernreaktor:m.原子炉

💡die Energiewende:f.エネルギー転換

 

🌏das Umweltproblem:n.環境問題

🌏der Klimawandel:m.気候変動

🌏die Erderwärmung:f.地球温暖化

🌏die Treibhausgase:pl.温室効果ガス

🌏die Biodiversität:f.生物多様性

🌏die Wiederverwendung:f.再利用

🌏die Luftverschmutzung:f.大気汚染

🌏dieBodenerosion:f.土壌浸食

🌏die Abholzung:f.森林伐採

 

🌪die Kaltfront:f.寒冷前線

🌪der Luftdruck:m.気圧

🌪das Hoch:n.高気圧

🌪das Tief:n.低気圧

🌪die Arktis:f.北極

🌪die Antarktis:f.南極

🌪die Breite:f.緯度

🌪die Länge:f.経度

🌪der Nordwind:m.北風

🌪die Meteorologie:f.気象学

🇩🇪体系的ドイツ語文法講座

全独合格者がレクチャーする、体系的ドイツ語文法講座

 

執筆者:千葉

 

注意書き⚠️

私個人は初学者が新たな言語を学習する際に、細かい文法で手間を取りイライラするよりも、スラスラ文法項目の学習を進めてゆき当該外国語を学ぶ楽しさを感じることが一番効果的であると考えています。

故に、詳細な文法項目をあえて無視し、巨視的にドイツ語文法を総括しいわゆるドイツ語のテクニックを以下に記している次第であります。

だからといって、自らのドイツ語テクニックの優位性を主張するつもりは毛頭無いですし、そもそも本場ドイツ語圏のMuttersprachlerにとってすればこんなテクニックなんぞあるはずもありません。

また私個人として、いわゆる詳細な文法項目の研究の歴史・その重要性も理解しているつもりですし敬意も払っています。

ですが、この英語一本化の波が進行し、高等学校・民間の語学学校で英語以外の外国語を教える組織が減り学習機会がますます失われつつあり現在窮地に立たされているドイツ語をはじめとするフランス語・中国語などの諸言語においては、その地位の回復のためにも更なる当外国語の学習者の増加が求められるわけであって、そのためにもこのようなサイトが必要なのです。

身寄りの無い学習者に一体誰が手を差し伸べられるのでしょうか。

その点をご理解頂きたい。

 

  

Ⅰ.《発音》

まずドイツ語の基本は、①単語はローマ字読み ②アクセントは頭にある の2点です。

この基本原則を用いて、文頭にアクセントを置きながらローマ字で読めば、大抵の単語は読めるということになります。

(例:Abend→アーベント/Appfel→アップフェル/arm→アルム)

 

よって英語のように一語一語の発音を覚える必要は無く、ドイツ語においては例外的なアクセントを持つ単語や例外的な発音をする綴りのみを覚えればいいことになります。

例外的なアクセントを持つ単語については、同サイト記事『Weiter voran ! 』のアクセント問題の項でまとめてあるので、そちらを参照してみてください。

ここでは例外的な発音をする綴りについてのみ掲載していきます。

 

🌸ä(aウムラウト)→eと同じ発音"エ"(初学者のために便宜的に)

🌸ö(oウムラウト)→eと同じ発音"エ"(初学者のために便宜的に)

🌸ü(uウムラウト)→uと同じ発音"ウ"(初学者のために便宜的に)

例 :Bäcker→ベッカー /böse→ベーゼ /dürfen→デュルフェン

 

🌸二重母音au→アオ("アウ"ではない)

例:blau→ブラオ

 

🌸二重母音eu→オイ("エウ"ではない)

🌸二重母音äu→オイ(euに同じ)

例:Leute→ロイテ /euch→オイヒ /Häuser→ホイザー

 

🌸二重母音ei→アイ("エイ"ではない)

🌸二重母音ie→イー("イエ"ではない)

例:nein→ナイン /lieben→リーベン

 

🌸h→①母音+h=母音の長音化 ②h+母音=普通のh行音

例:Autobahn→アオトバーン /helfen→ヘルフェン

 

🌸ch→①a,o,uの後="ハ","ホ","フ" ②それ以外="ヒ","ヒェ",k行音(chは単語毎に覚えた方が良いです)

例:Nacht→ナハト /hoch→ホーホ /Buch→ブーフ /ich→イヒ /Chemie→ヒェミー /sechs→ゼクス

 

 

Ⅱ.《名詞の性》

英語と異なりドイツ語では単語1語1語が”男性”、”女性”、”中性”のいずれかの"性"を持っています。

母"Mutter"は女性名詞、兄弟"Bruder"は男性名詞といった自然性を持つ名詞は自然性と名詞の性が一致します。しかしスペイン語やロシア語などと異なり、一部接尾語を除き、語尾から性別を必ず判別出来るとは限らないので、単語毎に性を覚える必要があります。

その際には男性名詞にはder(デア)、女性名詞にはdie(ディー)、中性名詞にはdas(ダス)といった各々の性の定冠詞を付けて、das Buchなどのように定冠詞+名詞でセットで覚えるようにしてください。

ここでは性別判定が可能である例外的な接尾語のみを掲載していきます。

 

🌺語尾が-eで終わる語→大半が女性(f.)

(※女性でなければ、男性弱変化名詞 |※※der Käseだけは弱変化しない)

🌺V+ung (=動詞の名詞化)→女性(f.)

🌺形容詞+keit (=形容詞の名詞化)→女性(f.)

🌺形容詞+heit (=形容詞の名詞化)→女性(f.)

🌺名詞+schaft→女性(f.)

 

🌺-er→男性(m.)

🌺-ént→男性(m.)+弱変化

🌺-ánt→男性(m.)+弱変化

🌺-íst→男性(m.)+弱変化

 

🌺Ge- (=集合名詞化)→中性(n.)

🌺他の品詞をそのままの形で名詞化したもの→中性(n.) 

 

 

Ⅲ.《ドイツ語の基本》

突然ですが、

 

Gestern bin ich in die Uni gegangen , um einen Unterricht zu nehmen.

 

Ich bin gestern in die Uni gegangen , um einen Unterricht zu nehmen.

 

Um einen Unterricht zu nehmen , bin ich gestern in die Uni gegangen.

 

のいずれもドイツ語では正しい文です。

英語と同様にドイツ語をSVO構造と捉えようとすると、定型第2位・完了形や分離動詞における動詞要素の分離などの矛盾に出くわします。

それは英語はSVO型の孤立語(語を並べる場所で、語の文における役割を規定する言語)である一方で、ドイツ語はSOV型の屈折語(日本語のように、語尾などの語の形を変化させることで文における役割を規定する言語)であるからです。(つまり、後で⭐️⭐️で言及される動詞の活用や冠詞・形容詞の活用も、文におけるその語の役割を規定している大事な要素だということです。無駄に活用がある訳ではありません。)

 

こうであるのならば、『基本的にドイツ語はSOVの順で並んでいて(=副文、前置副詞句、関係文)、主文においてだけは当該文が主文であることを示すために定型第二位を発生する』と考えると応用が利きます。

またS(主語)とV(動詞)に間にはO(目的語)の他に副詞や前置副詞句なども入りますが、その順番は①再帰代名詞→②副詞→③目的語(O)→④前置詞句と”代・副・目・前”、”だいふくもくぜん”、”大福目前”であることが多いです。これも大福目前と10回唱えて覚えましょう。大福目前、大福目前、大福目前、大福目前、大福目前、大福目前、大福目前、大福目前、大福目前、大福目前。

 

※※動詞(V)の順番

英語:have V.p.p /can have V.p.p

 

独語:V.p.p haben /V.p.p haben können

 

のように動詞(V)の部分の並びは英語の逆で、”後ろへ”続いていきます。

また現在形・完了形・助動詞が複合する場合の優先順位は、現在形(or受動態)<助動詞<完了形の並びです。

例:Der Tisch hat(2) zerstört werden können.(←Der Tisch  zerstört werden können hat.

 

そして動詞の活用に行く前に代名詞を暗記しよう!

 

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※2人称の部分はdu /ihrで始まる(2人称)の方を暗記してください。

Sieから始まる2人称は敬称と呼ばれるもので、duに敬意を加えた敬語のようなもので、3人称複数の代名詞の頭文字を大文字化しただけです。

 

 

 

 

Ⅳ.《動詞の活用(エストテンテン)》

動詞の現在形の活用について、以下のような表を暗記するように言われますが、そんなことより『エストテンテン』と10回唱えて覚えてしまいましょう。エストテンテン、エストテンテン、エストテンテン、エストテンテン、エストテンテン、エストテンテン、エストテンテン、エストテンテン、エストテンテン、エストテンテン。

 

Ich komme

Du kommst

Er kommt

Wir kommen

Ihr kommt

Sie kommen

 

e/st/t/en/t/en

 

⭐️⭐️動詞の活用の意義=主語の特定⭐️⭐️

(無駄に活用があるのではありません。)

 

 

Ⅴ.《冠詞・形容詞の格変化》

定冠詞の変化が基本となるので頑張って覚えましょう。

定冠詞=英語の”the”と一緒という認識で問題ないです。

ちなみにdieserなども定冠詞と同様の変化をするので、まとめて定冠詞類とも呼ばれます。

f:id:mireigmw:20200510142400p:plain

(この表を覚えるのが初学者にとっての最大の課題だと思う。)

読み方は男性から順に、デア、デス、デム、デン、女性がディー、デア、デア、ディー、中性がダス、デス、デム、ダス、複数がディー、デア、デン、ディー。

 

続いて不定冠詞、英語と同様に不定冠詞は数詞のeins(1)に由来を持つので、不定冠詞=英語の”a "と一緒という認識で問題ないです。

語尾に変化すれば”ein+定冠詞”という構造がわかるはずです。

ちなみにmeinなどの所有冠詞なども不定冠詞と同様の変化をするので、まとめて不定冠詞類とも呼ばれます。

f:id:mireigmw:20200510142525p:plain

読み方は男性から順に、アイネ、アイネス、アイネム、アイネン、女性がアイネ、アイナー、アイナー、アイネ、中性がアイン、アイネス、アイネム、アイン。不定冠詞ein自体の複数形は”a"同様に存在しないが、不定冠詞類として所有冠詞などには複数形が存在する。

 

そして問題なのは、この形容詞の絡むパターン3つ。

 

f:id:mireigmw:20200510142725p:plain

 

💠《定冠詞+形容詞+名詞》

→考え方

まず、格の重要度を考えたい。

1格の主格とは主語になる際の形

2格の属格とは〜の所有しているという修飾する際の形で、英語のmothers'などに該当する。

3格の与格とは日本語の”〜に”にあたる目的語の概念で、まさにgive O1 O2のO1に該当する。

4格の対角とは日本語の”〜を”にあたる目的語の概念で、最も一般的な目的語。

 

当然最も頻出度の高い1格・4格が最重要で、2格・3格は二の次になる

よって定冠詞の後ろに形容詞が続く際には1・4格においては e (エッ)と止めて強調し(強変化)、2・3格においては en (エン)と言い切る(弱変化)。複数形においては、定冠詞の後続は en のみ。

そうすれば、男性4格の場合を例外として表のようになる。

(”最初は1・4格→ e /2・3格→ en と割り切って覚えて、後々修正すれば良い。”)

 

💠《不定冠詞+形容詞+名詞》

→考え方

基本は《定冠詞+形容詞+名詞》と同様で1・4格→ e /2・3格→ en で一緒。

しかし定冠詞類の基本形が崩れている男性1格と中性1・4格において基本となる定冠詞の形を補うとして(ただし-asとは続けられないので-as→-esとなって)、ein+形er+名詞 / ein+形es+名詞という形に落ち着く。

 

💠《形容詞+名詞》

→考え方

基本形となる定冠詞類の形がなければ、その定冠詞類の形に帰着して落ち着こうとする。

そうすれば表のような変化となる。

 

 

⭐️⭐️名詞の格変化の意義=目的語の特定⭐️⭐️

(無駄に活用があるのではありません。)

※例外はあるがまずは細かいことは気にしない!大原則(定冠詞類の形)を基本に!

 

 

 

 

Ⅵ.《動詞の時制》

そもそも英語と違ってドイツ語には現在進行形は存在しませんし、過去形と完了形を厳密に区別することはありません。

 

🌻《未来形の作り方》

助動詞wollenまたは助動詞werdenを用いるだけです。

つまり、”動詞の原形+助動詞”。

その差異はwollenが”意志”のニュアンスを持つのに対して、werdenは”推量”のニュアンスを持っています。

 

🌻《過去形の作り方》

ドイツ語の動詞は、一般的に”X-en”の形で表せるように語幹に”en”がくっ付いている形をしています。

故に以下では”X”は動詞の語幹を表すとして、過去形の作り方は"X-en”を”X-te"の形に変えるだけです。

例:wohnen→wohnte /lieben→liebte /machten→machte

 

そして過去形の変化はエストテンテンを応用させた -○/-st/-○/-n/-t/-nの”丸スト丸ントゥン”です。(○は空白)

これも10回唱えて覚えてしまいましょう。

cf.過去形も活用させるのならば未来形も活用させることになるが、未来形は助動詞+動詞の原型であり、ここで助動詞は現在形でエストテンテンの活用をさせるので未来形特有の活用は存在しません。

 

🌻《完了形の作り方》

英語と同様に、”V.p.p.+haben/sein"となります。

seinは動詞Vが発着往来・状態の変化の時のみ用いる助動詞ですので、基本は英語同様にhabenを用いて完了形を作ります。

そしてそのV.p.p.こと過去分詞の作り方ですが、”X-en"を”ge-X-t"の形にするだけです。

また英語同様に、こうして作られた過去分詞は形容詞として用いることができ、V.p.p.+seinの形で受動態の形を作ることもできます。(※sein=be)

例:wohnen→gewohnt /lieben→geliebt /machen→gemacht

 

 

では以上の文法の概略を掴んだら、次は自らの手で文法書をもう一度紐解いてみましょう。

理解がより容易になっているはずです。

 

🇫🇷早稲田大学について

執筆者:H(ブログ管理人)

 

※注意※

以下の記事は2020年度に受験した中の人が書いたものであり、主観的な内容も一部含まれます。当記事は特に主観・推測の割合が高いです。また、最新の情報は必ずご自身で、大学のホームページにて確認してください。

 

 

○概要

早稲田大学の一般入試では、

政治経済学部

・法学部

教育学部

商学部

・文化構想学部

・文学部

でフランス語受験をすることができます。

社会科学部、国際教養学部などその他の学部では利用できません。(2020年5月9日時点)

 

○内容

教育学部のみ、独自の試験があります。(2020年5月11日修正)

それ以外の学部では大学独自の試験は課されず、センター試験の結果を提出した上で「成績標準化による得点調整」が行われます。

この換算方法は非公開で、どのように行われているのか全く分かりません。(センターの得点率がそのまま使用されているとは考えにくい)

ただし、他言語受験で合格している人は知っているだけでも数人いますので、怖がりすぎることもないかと思われます。(個人の感想です)

 

○雑談

ここからは私の受験結果(2020年度 法学部合格)を使って、私が考え事をした際のメモ書きです。完全に雑談です。以下の内容について一切責任は取れませんし、そもそも問題毎の配点が公開されていない以上、正確な分析を行うことは不可能です。

 

https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/result/

以下の合格者最低点、受験者平均点などの情報は、全て早稲田大学公式ホームページを参考にしました。

 

2020年度の得点状況はまだ公開されていませんが、例年法学部の合格者最低点は88〜92点くらいのようです。

配点は外国語60点、国語50点、地歴公民が40点。

まず世界史について。前半のマーク式問題は31/34(=91%)で、論述はほとんど書けませんでした。最後の論述を10点配点とすると、30点といった所でしょうか。

国語について。マーク式・短答問題合わせて19/24(=79%)、ただし第4問は全て間違えていました。文章の理解ができていなかったということなので、最後の論述は1点としておきます。再び最後の記述の配点を10点として計算すると、33点となります。

ここまでの計算が外れていなければ、外国語で25〜29点以上は来ていることになりますね。

センター試験のフランス語は190点だったので、公開されている例年の法学部フランス語受験者平均点を参考にすると、平均〜少し上くらいかと思います。

早稲田の合格最低得点率が61%であることを考えると、外国語の得点率は50〜60%程度だったと考えるのが無難ではないかと思います

🇩🇪参考書について

執筆者:千葉

 

さて堅苦しい文体に疲れたので、ゆる~い文体でオススメのドイツ語参考書を紹介していくヨ!

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😎初学者用の王道参考書コース😎

 

三修社『ゼロから始めるドイツ語』…ドイツ語界の定番参考書①。在間進(東京外国語大学名誉教授)著。たとえネイティヴやドイツ語教師にドイツ語の文法を教わったとしても、言語学習の基本においては、やっぱり文法の定義を自分の手で読み解き理解し整理することが大事だヨ!

この本の特徴としては、ドイツ語単語の上に発音のルビがふってあって、初学者が読みやすい丁寧な仕上がりになっているから、自然と発音規則が身につきドイツ語単語がスラスラ読めるようになるからとてもオススメだヨ!

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CD付 ゼロから始めるドイツ語―文法中心・新正書法対応

在間進

三修社

2000-09-01

 

 

白水社『ドイツ語練習問題3000題』…ドイツ語界の定番参考書②。インプットの後にはアウトプット!文法書を読み解いたら、対応する文法問題を解いて理解が深め記憶に定着させよう!3000題もあるから量には困らないね!やったー!長文問題も複数題含まれているので一石二鳥だね!

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ドイツ語練習問題3000題

拓, 稲田

白水社

2002-09-01

 

 

第三書房『新・独検合格 単語+熟語1800』…ドイツ語界の定番参考書③。おなじみ在間進(東京外国語大学名誉教授)著。文法を固めたら次に単語を覚えよう!文法だけ知ってても、単語を知らないとどうにもならないからね!この本も単語の上にルビがふってあるので、使っているうちに自然と発音が身につくヨ!これが在間メソッドだね!オマケとして独検2級レベルの拡充単語帳が付いてきて、それは後々重宝する優れもので東大の二次試験のレベルには最適だヨ!

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新・独検合格 単語+熟語1800

昌秀, 亀ケ谷

第三書房

2010-04-01

 

 

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○ステップアップオススメ参考書

 

第三書房『ドイツ語、もっと先へ! Deutsch voran!』…《過去問》神書。ぜひバイブルとすべき参考書の1つ。第二部に2013〜1986年の差し替えの問題が解答付きで掲載されている唯一無二の参考書。加えて、本文中に出てきた単語まとめも掲載されているからvery good!ただし、第一部は日本文化に関する長文が複数題掲載されてるが、単語が変&面白くないのでその部分はやらなくていいヨ!

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ドイツ語、もっと先へ!

アンドレアス・マイアー

第三書房

2014-09-30

 

 

郁文堂『独文解釈の秘訣 (1)(2)…《解釈本・長文問題集》ドイツ語受験がまだ盛んであった’70年代の大学入試問題の中文を50題ずつまとめた本。中文1つ1つにちゃんと全訳が付いていてる~。親切だね~。この本の最大の特徴は文法・語法項目の解説で、前綴りのニュアンスからザクセン2格や語彙の使い分けまで受験用のドイツ語参考書の中では最も詳細な解説がなされているヨ!昔の受験生はレベルが高かったんだね~。

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独文解釈の秘訣―大学入試問題の徹底的研究 (1)

横山 靖

郁文堂

1978-05T

 

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独文解釈の秘訣―大学入試問題の徹底的研究 (2)

横山 靖

郁文堂

2000-01-01

 

 

同学社『独検2級・3級受験者のためのパワーアップ・ドイツ語』(絶版)…《構文集》受験ドイツ語参考書の中で唯一構文を網羅している本。構文1つ1つに対して例文が掲載されているのも好印象だね~。加えて章末には練習用の長文問題も掲載されているけど、商品レビューの通りここではとても言えないような文章があるのが難点だね~。本自体は絶版になっているので、Amazonで購入するか中古品を手に入れるしかないヨ!

ちなみに”2・3級”向けとは書いてあるけど、それは旧独検の2・3級のことだから、実際の対象者は現行の独検準1・2級受験者だヨ!

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独検2級・3級受験者のためのパワーアップ・ドイツ語

中島耕太郎

同学社

1996-07-01

 

 

三修社『会話と作文に役立つドイツ語定型表現365』…《熟語帳》受験ドイツ語参考書唯一の熟語帳。例文に使われている単語は普段日常であまり目にしない単語が多く、受験ドイツ語においては熟語の重要度は低いから余力がある人だけがチャレンジすると良いかな~。無理はしないで基礎を固めることがまずは先決なのは当然だね~。

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MP3付 会話と作文に役立つドイツ語定型表現365

橋本政義

三修社

2016-05-27

 

 

三修社『耳が喜ぶドイツ語』…《Hören対策本》Hören対策本だから直接的に大学入試には関係ないけど、初級・中級・上級の3段階の難易度の文章が扱われていて、問題数は100題で様々なテーマの文章が扱われているのでオススメだヨ!文章を耳で暗記すればSprechennにも活かせて一石二鳥だね!しかもHören und Sprechennが弱いと、合格後にネイティブ教員に打ちのめされるのでちゃんと対策しておこう!独検にもHören問題が出題されるからね!

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CD2枚付 改訂版 耳が喜ぶドイツ語 リスニング体得トレーニング

 

🇩🇪私大受験について

執筆者:千葉

 

※注意※

以下の記事は2020年度に受験した中の人が書いたものであり、主観的な内容も一部含まれます。また、最新の情報は必ずご自身で、大学のホームページにて確認してください。

 

英語ではなくドイツ語で受験できる私立大学を紹介していきます。

 

早稲田大学政治経済学部、法学部、文化構想学部、文学部、教育学部商学部

教育学部のみ、独自の試験が存在します。(2020年5月11日訂正)それ以外の学部はセンター試験におけるドイツ語の点数を独自の方式で圧縮して外国語の点数として利用するので、外国語の個別試験はありません。(また1限目の外国語の試験が無く、2限目の試験から途中入室することになるのでドイツ語・フランス語・中国語利用の受験者で一室にまとめられます。)

 

センター試験200点の点数を外国語個別試験の得点に直接換算するわけではないので、大きなアドバンテージを獲得出来るわけではありません。センター190点→外国語科目50〜60%となる程度に標準化されます。

 

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慶應義塾大学…文学部、法学部

 

・文学部(筆者が受験しました。)

《問題形式》

→Hören問題無しの記述式の総合問題形式です。詳細は以下の通り。

大問①=300字の長文要約+日本語訳の設問3題(原文はドイツの有名誌『DER SPIEGEL』)

大問②=文法問題(総計8問)

大問③=メールの返信文を書く(ドイツ語作文)

 

※唯一、慶應文学部の英語・ドイツ語試験においては辞書の持ち込みが可能となっています。

『辞書の持ち込みが可能なのだから文法を履修さえすれば受験者のドイツ語のレベルは関係ない』とも言われていますが、試験時間の制約があるので一程度のドイツ語熟練者である必要があり、独検2級合格程度の能力が必要かと思われます。

またドイツ語受験者は個別の試験室に案内されます。私が受験した際には、受験者は計3名でした。

 

・法学部(筆者は未受験です。)

《問題形式》

→文法の穴埋め問題・和文独訳・内容正誤・独文を独文でまとめるなどの記述式の総合問題形式との情報アリ。(法学部のフランス語試験も同様の総合問題形式)

文学部よりも試験問題の難易度は簡単であるとの情報もアリ。 

 

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上智大学…英文学科、仏文学科、心理学科、英語学科、総合グローバル学科を除く”全学部学科”

→2月初旬に行なわれる『ドイツ語・フランス語共通統一試験』を受験し、その成績を全学部学科の外国語の点数として利用します。(2020年度入試における上記ドイツ語試験の受験者は5名程度でした。)

 

《問題形式》

→Hören問題無しのマーク式の総合問題形式です。詳細は以下の通り。

大問①=発音/アクセント/名詞の性/不規則変化動詞(総計4問)

大問②=文法問題(総計8問)

大問③=返答文の選択(会話文)(総計5問)

大問④=長文問題

大問⑤=長文問題(日本語訳問題付き)

 

問題の難易度としては独検3級程度くらいだが、合格には高得点が求められるので独検2級合格程度の能力は必要か。

 

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○受験のススメ

試験問題の難易度が最も簡単であり、受験可能な学科の幅が広く、2月の上旬に試験がかたまっている上智大学をすべり止めの1つとして受験することをまずオススメします。

 

あとは自身の志望学科に応じて早稲田大学または慶應義塾大学(またはその両大学)を受験することになりますが、マーク式の国語・歴史(or数学)の問題を課すために不安定要素の大きい早稲田大学よりも、記述式で教科書レベルの素直な知識を問う歴史・小論文を課す慶應義塾大学の受験を個人的にはオススメします。(小論文のために個別の対策が必要なのではと危惧する受験者も多くいらっしゃると思いますが、赤本の小論文の解答・解説を数カ年分目を通すだけで対応は十分にできます。)

🇩🇪東京大学二次試験について

執筆者:千葉

 

※注意※

以下の記事は2020年度に受験した中の人が書いたものであり、主観的な内容も一部含まれます。また、最新の情報は必ずご自身で、大学のホームページにて確認してください。

 

 まず始めに、世間一般においては入試の外国語=英語という“偏見“が存在します。

小学校における英語必修化や、中学校・高校における英検受験の推奨や、大学入試における民間の英語試験導入など世間では英語教育の重要性が高まりつづける一方で、その世間の風潮の煽りを受けることなく長年変わらずセンター試験はドイツ語・フランス語・中国語・朝鮮語の試験を実施し、東京大学では戦前からずっとドイツ語・フランス語・中国語の試験を実施してきました。

まさにその事実こそが英語以外の外国語にも等しく学ぶ意義があり、多様性を認めることが時代普遍的に重要性を持つことの証左であると言えます。

この理由を以って、東京大学における多様性を持続させるために、東京大学におけるドイツ語入試問題の概略及び具体的な対策方法を紹介したいと思い以下を記します。

 

まず東京大学の外国語の入試においては、以下の3つの方式から受験することが出来ます。

 

1.英語のみ

2.英語(Ⅰ~Ⅲ)+ドイツ語(Ⅳ,Ⅴ)

3.ドイツ語のみ

 

受験業界隈では、俗に2.を“差し替え“と言い、3.を“全独受験“と言います。

差し替えにおける問題Ⅳ,Ⅴと全独における問題Ⅳ,Ⅴは、共通の問題です。(数年前までは異なる問題が出題され、差し替え問題の方が若干簡単な問題ではありました。)

よってここでは、差し替えの問題の内容は全独の問題の内容に重複するので、全独受験の問題を中心に紹介します。

 

 

○試験問題

 

大問Ⅰ『200字要約』(20点)…B5一枚程度の長文を読み、その内容を日本語200字で要約します。

 

大問Ⅱ『和文独訳』(20点)…5行程度の長さの日本文を全文ドイツ語に翻訳します。その内容はエッセイが中心であるために直訳が難しく難易度は高め。

 

大問Ⅲ『会話文の読解』(30点)…一連の複数人の会話文を読み、3つの設問に答えます。答えの核になる要素は文章を精読しないと発見できないことが多いために、いかに独文に熟達しているが重要となる。

 

大問Ⅳ『独文和訳』(25点)…12行程度の長さの独文を8割 or 全部日本語に翻訳します。難易度は比較的簡単である。

 

大問Ⅴ『書き換え・整序問題』(25点)…ドイツ語の文法知識に基づき、条件に従って独文を書き換えたり、指定語句を用いて独文の整序を行います。難易度は簡単でいわゆる点取り問題である。

 

※(xxx)内の点数は予想配点である。東京大学は公式には配点を発表していない。

 

 

○具体的対策

 

大問Ⅰ『200字要約』

→最も難易度の高いドイツ語長文を読解する大問です。まず端的に言うと要約の解答は、本文全体をバランス良く取り込んだ解答となるはずです。しかし長文が最後まで続いている以上は話の重心は後半部にあるので、本文全体を一読した後に後半部の結論に注視しながら前半部を要約すれば、自ずと解答は導かれるはずです。具体的な対策について言えば、単語力を高めるのに専念することが先決です。(白水社『例文活用 ドイツ重要単語4000』や郁文堂『ドイツ単語5500』など)

 

大問Ⅱ『和文独訳』

→最も採点基準のわからない大問です。あの原文を100%完璧に訳せる受験者が存在するとは到底考え難いので、受験者間の相対評価で採点がなされていると考えられます。そのことを念頭に置けば、この設問において求められる能力とは意味内容に反しない独文を最後まで書ききる能力であり、具体的なことを言えば文章をより簡単な文章に変換する技術やドイツ語らしくコンパクトに表現する技術(副文を前置詞句で表現したり、名詞句を造語1語で表現したり)を磨く必要があります。ネイティブやドイツ語の教師に作文を添削して貰うのが一番良いとは思いますが、白水社『しくみが身につく中級ドイツ語作文』を用いるのもアリだと思います。

 

大問Ⅲ『会話文の読解』

→最も対策が難しい大問です。この設問において求められる能力とはドイツ語を精読する能力、つまりは副詞や心態詞に細かい注意を払える能力であるので、傾向対策や知識が必要と言うよりかは根本的ドイツ語の読解力を磨く必要があります。大問Ⅲに関しては具体的に対策用の参考書を挙げることはできません。

 

大問Ⅳ 『独文和訳』

→第三書房『ドイツ語、もっと先へ! Deutsch voran!』上の2013~1986年の差し替えの過去問の演習+長文問題(科学系←独サイト『Deutsche Welle』のTop-Thema記事など)の演習に取り組めば十分ですし、別にⅣに特有な対策は必要ないと思います。

 

大問Ⅴ『書き換え・整序問題』

→第三書房『ドイツ語、もっと先へ! Deutsch voran!』上に2013~1986年の差し替えの過去問が載っているので、過去問を一通り演習すれば十分満点を目指せます。接続法Ⅱ式の仮定法や自動詞の受動態やum不定詞の否定形や男性弱変化名詞などの盲点となりやすい文法項目を特にきちんと潰していってください。

 

 

○過去問の入手方法について

 

差し替え問題の過去問については上に書いたように、第三書房『ドイツ語、もっと先へ! Deutsch voran!』上に2013~1986年の過去問が掲載されています。

一方で全独の過去問については、赤本などにドイツ語の問題の掲載はないので以下の2つの入手方法しか存在しません。

 

東京大学から取り寄せる

東京大学新聞の入試問題解答号を購入する

 

②の場合であれば、東大新聞オンラインから購入することも可能で、解説はないですが模範解答例の掲載があります。

①の場合には解答が付いていないのでご注意を。